しまびと百科

とっしんさん

とっしんさんとっしんさんこと中村利公さんは、漁師歴48年のまさに海の男です。家島漁業共同組合長も務め、島の漁師さんたちの代表として、家島の漁業のために日々東奔西走されています。

そんなとっしんさんが家島の魚のおいしさを語る時に、よく口にするのが「魚が苦しまない漁法」という言葉です。
「最近は魚群探知機やなんかが発達して、魚の居場所が一発でわかる。だから魚を根こそぎ獲ることも簡単なんや。」
「ほやけど、漁法によって魚の味は変わる。「魚が苦しまない漁法」で取れば魚の味もいい。だから家島の魚はおいしいんや。」
なるほど、いえしまの魚への誇りと愛を感じます。

とっしんさんいえしまの海を知り尽くしたとっしんさんの目に、最近の播磨灘はどう映っているのでしょうか?
「家島の海は変わってしもた。今まで獲れて当たり前やった魚が獲れなくなったり、獲れるはずのなかったものがようさん獲れるようになった。」
世界的な気候変動は家島の海の環境も変えつつあるようです。
「家島に来た人たちは、海を見て「透明できれいや」言うてくれるけど、魚にとってはこれはようない。」
「下水道が整備されたことで海がきれいになりすぎて、魚のエサになるプランクトンが減ってもうたんや。」
内海である播磨灘にとってこうした変化が及ぼす影響はひときわ大きいのです。
最近では漁協でも「漁場の保全」を始めています。そのひとつが、海底にたまった栄養素を海中に混ぜるための「海底耕運」。その効果が少しずつでてきているそうです。
今後は行政など、多様な主体との連携の中でこうした取り組みを進めていく必要があります。


とっしんさんとっしんさんに会った人がびっくりするのが、その手の大きさです。握手してもらうとがっしりとした厚みが伝わってきます。
「最近はみんな漁の時手袋を使うけど、それやと微妙な感覚がわからへん。ほやからどんなに寒い時もわしは素手や。」
とっしんさんの手の厚みは、48年間家島の海とともに歩んできたその重みなのです。

 

 

 

とっしんさん