しまびと百科

とっしんさん

河部惠子さんわれらがNPOいえしまの理事長、河部惠子さん。特産品づくりに加えて、いえしまゲストハウスプロジェクト、地域新聞いえしまの発行やコミュニティバスの運転、さらには地域の高校での料理の先生や、地域の子どもたちへのスポーツ指導などさまざまな活動を毎日パワフルにこなしています。



「島の外からお客さんが来はると、皆さん港に泊まってる船の多さにびっくりしはるんよ。でも昔はこんなもんやなかったからね。港に入りきらんと船が順番待ちしてたんやから。今とは比べ物にならなんくらい、島に活気があったんよ。」
そう昔を懐かしむけいこさんの横顔は、誇らしげでもあり、とてもさびしそうです。
「採石と海運が下向きになってから、全部が変わってしもた。一人、また一人と島の人が島外に出て行って。いえしまもすっかり元気がなくなってしまったわ。」
島を離れざるを得なかった人々の中には、NPOいえしまのメンバーや、メンバーの近しい人たちも含まれていました。



河部惠子さん「それで自分に何ができるかって考えたら、やっぱりおいしい魚をおいしい料理にすることやって思ったんよ。」
「そんな時に漁師さんから、大量にスズキが獲れて、売っても油(船の燃料)代の方が高いから捨てて帰るっていう話を聞いたん。こんなにおいしいいえしまの魚が誰にも食べられず海に捨てられるなんて、悲しすぎる。」
そこで、そのスズキを引き取って味噌漬けを作ったのが、NPOいえしまの特産品づくりの始まりでした。
「うまくできたから、次の年にまたスズキが欲しいって漁師さんに頼んだら、「もうスズキは取れへん。今はアジや。」って言ってわれて。今度は大量のアジをもらって一夜干しを作ったん。あの時はさばくのが大変やったなぁ。」
その時に獲れた魚で獲れた分だけ商品を作る、というNPOいえしまのスタイルはこうして生まれたのです。
その後も勉強会や試食会を繰り返し、のりっこやアナゴ一夜干しなどさまざまな商品を生み出しています。



河部惠子さん 「今はまだ小さな活動やけど、これがきっかけで一人でも多くの人にいえしまに留まってもらいたい。そうなったらほんまにうれしいなぁ。」



何事にもいつも力いっぱい、まっすぐに取り組むけいこさん。その原動力となっているのはいえしまを愛する熱い想いなのです。